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アスベストが注目された理由
現代では有害とされているアスベストですが、なぜアスベストを使用するようになったのでしょう？このコラムではアスベストを使用するメリット・デメリットを交えてアスベストが注目された理由について解説していきます。また、よろしければアスベストが含まれている建材の見分け方にてアスベストが使用されている場所も解説しておりますのでそちらもご覧ください。
１．アスベスト使用のメリット
２．アスベスト使用のデメリット
３．まとめ
１．アスベスト使用のメリット
アスベストは自然に採取される繊維状けい酸塩鉱物のこと（よろしければアスベストの種類についてのコラムもご覧ください）です。燃えないことから不燃材料として耐火建築物などに使用されたり、気密性の高さから断熱材・保温材などに使用されたりしていました。加工が容易なので布状や帯状、糸状など加工品としての形状は様々で、粘着性が高いという特徴もあったことから塗料やセメントに混ぜて使用されることも多くその上安価だったのです。まさに夢の材料として注目され、建築資材、電気製品、自動車、家庭用品に至るまでいろいろな場面で活用されていました。
２．アスベスト使用のデメリット
これまでのコラム（アスベストによる健康被害：アスベスト肺、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水・アスベストが死因と思われる死者の数）でも解説したようにアスベストの繊維は、肺線維症（じん肺）、悪性中皮腫の原因になるといわれ、肺がんを起こす可能性があることが知られています。アスベストによる健康被害は、ばく露されてから長い年月を経て健康状態の悪化として表面に出てきます。アスベストを吸い込んだ量と中皮腫や肺がんなどの発病の間には相関関係が認められていますが、短期間に低濃度のアスベストを吸い込んだ際の危険性については不明な点が多いとされており、現時点では、どれくらい以上のアスベストを吸えば中皮腫になるかということは明らかではありません。現在日本ではアスベストを全面的に禁止してはいますが製品の輸入体制が不十分なため記憶に新しい珪藻土バスマットとアスベスト問題のように、意図せずわたしたちの日常に入り込んでいる可能性があります。
３．まとめ
今回はこれまでのコラムを交えて解説しましたがいかがでしたでしょうか。解説したようにアスベストの様々なメリットが注目され、ありとあらゆる物に使用されてきました。しかし、アスベストばく露による健康被害は重く死に至るなどメリットと比較するまでもないデメリットが現在の日本のアスベストに対する全面禁止の体制に繋がっています。しかし、他国ではまだメリットが多く上回るという判断から禁止していない国もあります。それどころかデメリットはない＝健康被害はないと主張している国もあります。日本国内でのアスベストばく露を防ぐために、アスベスト解体現場などでのばく露対策の徹底は勿論他国からの輸入製品に対してより厳しく対応することを期待します。
アスベストにさらされる業務に従事し、健康被害に遭われた労働者の方やそのご遺族の救済のため、社会保険労務士法人きんかでは積極的に相談に応じておりますので、お気軽にご連絡ください。お問い合わせはこちら
