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2022.02.09

コラム

珪藻土バスマットとアスベスト

皆さん、大手ホームセンターが販売していた珪藻土バスマットにアスベストが含まれていたニュースはご存じでしょうか。吸水性が高くお手入れも簡単な珪藻土バスマットですが2020年末、「カインズ」が販売していた珪藻土バスマットにアスベストが混入していたことが判明。その後「ニトリ」でも販売していた珪藻土バスマットにアスベストが混入していたことが判明し大規模なリコールへと発展しました。日本では禁止されているはずのアスベスト。なのに何故今回のような問題に発展したのでしょうか。

目次
1.まずはじめに
2.原因は?
3.他に混入している可能性は?
4.まとめ

1.まずはじめに

上記で説明したように珪藻土バスマットは吸水性が高くお手入れも簡単。使ったら立ててかけておくだけですぐにさらっと乾きます。加えて消臭効果や調湿機能があるため、洗面所のにおいやカビなどに効果的のため人気の商品です。上記大手企業が販売していた珪藻土バスマットの他、Amazonで販売されていた商品からアスベストが検出されるなど、まだまだ問題は収まっていません。

2.原因は?

中国からの輸入した当該商品。まず、中国はロシア・カザフスタン、カナダに次ぐ世界第三位のアスベスト生産国です。年々生産量が減っているため世界第一位のロシア・カザフスタンから輸入し、アスベスト消費量はインドと世界第一位、二位を争っている状況です。そのため、アスベストを含んだ建材を使って製造してしまった、あるいはアスベストと同じラインで製造してしまったことが原因と考えられます。珪藻土はもともと壊れやすい物質なのでバスマットのように板状にするには石膏やセメントなどを混ぜて強度を上げる必要があります。そのため、アスベストを強化剤として使用していた可能性もありますが、真相は不明です。

ただし、輸入したのは日本の輸入業者です。輸入時にしっかりチェックしていれば日本国内に入ることもなく、今回のような大きい問題に発展することはなかったでしょう。

3.他に混入している可能性は?

こういった問題は今回だけではありません。平成17年にはアスベストを含んだ幼児用自転車、自転車用のブレーキが中国から日本に輸入されていたことが判明しています。そのほかにも自動車のブレーキパッドやガスケット(気密性や液密性を保たせるために使用される固定用のシール材)、パッキンなど、様々な輸入製品にアスベストが混入していたことが厚生労働省より発表されています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/sekimen/other/pamph/index_00003.html

4.まとめ

日本国内では全面的に禁止されているアスベスト。しかし、中国をはじめとした諸外国ではアスベストの生産・消費が続いています。今回は人気商品のアスベスト混入が偶然見つかっただけであって、他の物にも混入している可能性は十分あり得ます。オーストラリアでは輸入者が、自国に輸入する物品がアスベストを含んでいないことの証明の提供に加えオーストラリアの認証機関や同等の国際的認証機関による証明を必要とするなどアスベストを違法輸入しないための努力をしています。
日本でも過去の事例を踏まえ、違法なアスベストを含んだ製品の輸入・流通を阻止するための具体的な対策、また、輸入した企業に対しての厳しい処罰が必要です。

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