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2022.02.07

コラム

アスベストが含まれている建材の見分け方

様々な健康被害を引き起こすアスベスト

「うちの駐車場の壁ってアスベスト?」「倉庫の天井にアスベストが吹き付けられてる感じがする……」そんな“もしかして”を少しでも解決できるよう、今回はアスベストの見分け方について解説していきます。

目次
1.まずはじめに
2.吹き付けアスベストの見分け方
3.吹き付けロックウールの見分け方
4.吹き付けひる石(バーミキュライト)の見分け方
5.折板屋根石綿断熱材の見分け方
6.まとめ

1.まずはじめに

アスベストの建材には“a”マーク、所謂アスベストマークが付いているものがあります。

全ての建材が該当するわけではなく、1989年より生産業者が自主的に押印したことが始まりです。該当する建材の中でも1995年以前の建材は石綿の含有率が5%以上の製品、それ以降は石綿の含有率が1%以上の製品に付いています。施工方法によってはマークを確認することが難しいため、丁寧に手解体を行い、“a”マークや製品の名前、製造番号などを探すことが大切です。

2.吹き付けアスベストの見分け方

吹き付けアスベストとはアスベストにセメントなどの結合剤と水を加えて混ぜ、吹付け機を使って吹き付けられたものです。駐車場の壁や天井、ボイラー室や昇降機などの機械室、鉄骨の梁や柱などによく使用されており、施工の主な目的は防火、耐火、吸音(消音)です。外見の特徴は表面が綿状で柔らかいこと、色は青色、灰色、白色及び茶色です。青色の場合はクロシドライト、茶色の場合はアモサイトでの施工です。簡単に針で刺せるほどの柔らかさです。

3.吹き付けロックウールの見分け方

吹き付けロックウールとはロックウールをセメント、アスベストなどと混ぜ、機械で噴出させて付着させたものです。吹き付けロックウールは現代でも施工方法として存在していますが、平成2年以降アスベストは製品に一切含んでいません。施工の目的は吹き付けアスベストと同じく防火、耐火、吸音などです。外見の特徴も吹き付けアスベストと似ていますが吹き付けアスベストと判断しがたい場合は、この吹き付けロックウールである可能性が高いです。

4.吹き付けひる石(バーミキュライト)の見分け方

ひる石(バーミキュライト)とは、鉱物の一種です。これをアスベストと混ぜて機械で噴出させ、天井などに付着させたものを吹き付けひる石(バーミキュライト)といいます。こちらも現在製造されているものにはアスベストは含まれていません。断熱や吸音を目的としているため、天井に施工されていることが多いです。外見の特徴はゴツゴツとしていますが少し力を入れて触れると弾力がある場合があり、すぐにポロポロと落ちてきます。

5.折板裏打ち石綿断熱材

折板裏打ち石綿断熱材とは、鋼板の屋根材(折板)に石綿を張り付けたものです。その名の通り断熱を目的とするほか吸音を目的としています。車庫や倉庫、渡り廊下などの屋根に多く使われています。吹き付けたり張り付けたりして加工しており、スポンジ状やゴム状で表面は硬くありません。ただ、製品にアスベストが含まれているかどうか目視で判断することは表面の汚れ等があり困難です。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか?アスベストは現在有害なものと認定されていますが、上記のとおり耐火性や断熱性、防音性など様々な機能を有しています。その上安価なため1955年頃から使われ始め、1960年代の高度成長期に多く使用されました。また、製造や輸入、譲渡、提供、使用が禁止されたのは2006年(平成18年)と近年に至るまで身近に存在していた製品です。アスベストが使用されている製品は健康被害へのリスクがあるほか、メンテナンスや解体に関するコスト、また専門的な技術等が要求されます。ただ、アスベストはそこにあること自体が直ちに問題なのではなく、劣化などによりその繊維が飛び散ったり吸い込んだりすることが問題であるため、労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物の処理や清掃に関する法律などで被害を減らす法律が定められています。

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アスベストに関するQ&A 厚労省ホームページより
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