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2022.01.12

コラム

アスベストによる健康被害 肺がん(原発性肺がん)

アスベストにさらされることにより引き起こされる病気があります。
今回はアスベストによる肺がんについて詳しくご説明します。

目次
1.原発性肺がんとは
2.自覚症状、発症までの期間
3.診断
4.予防、アスベスト肺がんと喫煙の関連
5.治療
6.肺がんによる死亡者数、労災認定数
7.まとめ

1.原発性肺がんとは

肺にできるがん(悪性腫瘍)のうち、肺および気管支の細胞から発生するがんを原発性肺がんといいます。アスベスト以外でも喫煙など多くの原因で発生します。

2.自覚症状、発症までの期間

肺の中身には私たちが異常を感じられる神経が存在しないため、がんが肺表面の胸膜や周囲臓器、もしくは肋骨や筋肉などの胸壁に浸潤するまで全く無症状です。進行が進むと、咳や血痰、息切れ、肺炎などの症状が出やすくなります。発症までの期間は長くアスベストにさらされて30年から40年後に発症することが多いと言われています。

3.診断

肺がんの診断は様々な検査で行われます。
・これまでの職業歴や住居暦からアスベストにさらされていた可能性があるか
・胸部の画像検査細胞診(痰の中にがん細胞があるかどうか調べる)
・気管支鏡検査(がん細胞があるかどうかを調べるさらに精密な検査)
・胸腔穿刺(胸水があった場合、胸水の中にがん細胞があるかどうかを調べる)
また、アスベストにさらされたことにより発症する肺がんは原発性肺がんで、転移性肺がん(ほかの箇所からがんが肺に転移)との見極めが必要となります。アスベストにさらされたことが原因である肺がんの診断には、高濃度のアスベスト作業歴のほかに、じん肺法で定められた1型以上と同様の肺の線維化、範囲の広い胸膜プラーク、肺内の石綿小体などの医学的所見を参考に診断されます。

4.予防、アスベスト肺がんと喫煙の関連

肺がんになる第一の要因は喫煙ですが、アスベストに長期間さらされている方が喫煙していると肺がんの危険性はさらに高くなります。喫煙しない人の肺がんの危険性を1とすると、喫煙者は10倍、アスベストばく露者は5倍、喫煙をするアスベストばく露者は約50倍になると言われています。将来の肺がん発生の危険性を減らすためには、禁煙することが非常に大切です。

5.治療

主に外科的療法(手術)、化学療法(抗癌剤)、放射線療法、緩和ケアを組み合わせた治療が行われます。治療法の選択は、基本的には肺がんのタイプと肺がんのステージ(進行具合)に基づきます。肺がんのステージは大きさ、広がり、リンパ節への転移の広がり、全身への転移の広がりによって決まります。年齢や全身の状態、本人の希望を考慮して治療法が決まります。

6.肺がんによる死亡者数、労災認定数

がん種別統計情報によると肺がん患者数は年々増加を続け、2018年には約12万人が罹患し、2019年には約7万人が肺がんにより死亡しています。2019年の労災請求件数は443件、決定件数は420件、業務上認定が375件となっています。

7.まとめ

今回はアスベストによる健康被害の中で肺がんについてご説明しました。肺がんは喫煙が一番の原因でありますが、アスベストとの相乗作用も明らかになっています。アスベスト関連労働者でいまだ健康被害の生じていない喫煙者は直ちに禁煙するのが望ましいです。
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