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お知らせ・コラム

2022.02.01

コラム

労災保険の給付が受けられない方の救済 石綿健康被害救済制度

労災保険の給付対象外のご家族や近隣住民の方々、労災保険給付の請求期間が過ぎてしまった方々の救済のため、石綿健康被害救済制度という制度があります。今回は石綿健康被害救済制度の概要についてご説明します。

目次
1.対象者
2.救済制度の対象となる疾病
3.救済給付の種類
4.特別遺族給付金
5.まとめ

1.対象者

アスベストに関わる仕事をしていた方のご家族や、アスベスト製品の製造工場の近隣に住んでいた方などがアスベストに関連する病気を発症した場合は労災保険の対象とはなりません。また、これまで労災保険の対象となる方でも、労災保険の給付を受けずに本人が亡くなってしまったり、ご遺族の方が時効によって労災保険の遺族補償給付を受ける権利がなくなってしまったりする事例が多くありました。石綿健康被害救済制度は労災保険給付が受けられなかった方を対象して支給される制度です。

2.救済制度の対象となる疾病

◎中皮腫
◎肺がん
◎著しい呼吸機能障害を伴うアスベスト肺
◎著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚
アスベストによる疾病について詳しくはこちら⇒中皮腫肺がんアスベスト肺びまん性胸膜肥厚

上記疾病において対象となるのは以下の通りです。
・現在療養されている方
・平成18年3月27日よりも前に中皮腫、肺がんにより亡くなられた方のご遺族
・平成22年7月1日よりも前に著しい呼吸機能障害を伴うアスベスト肺、著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚により亡くなられた方のご遺族

3.救済給付の種類

(1)療養中の方への給付
・医療費:医療費の自己負担分の支給
支給の対象となるのは診療、薬、処置、手術、看護、移送などです。
・療養手当:103,870円/月(治療に伴う医療費以外の費用負担に対す給付)
入通院に伴う諸経費、日常生活における近親者等による介護に要する費用等を勘案し月単位で支給されます。
(2)療養中の方が救済制度の認定後に亡くなられた場合の給付
・葬祭料:199,000円(認定患者の葬祭に伴う費用負担に対する給付)
アスベストに関連する疾病で亡くなられた場合、葬祭を行う方からの請求があった場合に支給されます。
・救済給付調整金:被認定者及び被認定者のご遺族に医療費と療養手当の合計が特別遺族弔慰金の額に満たない場合に、その差額を被認定者のご遺族に支給する給付です。
・特別遺族弔慰金:2,800,000円
法施行または改正政令施行前にアスベストに関連する疾病が原因で死亡した者のご遺族及び法施行または改正政令施行以後に指定疾病が原因で死亡した者のご遺族に対する給付です。
・特別葬祭料:199,000円
法施行または改正政令施行前にアスベストに関連する疾病が原因で死亡した者及び法施行または改正政令施行以後に指定疾病が原因で死亡した者の葬祭に伴う費用負担に対する給付です。
※救済給付を受けるためには、アスベストが原因で発症した指定疾病に罹患した者であると環境再生保全機構から認定を受ける必要があります。

4.特別遺族給付金

労災補償を受けずに死亡した労働者の遺族に対する救済措置として、特別遺族給付金が設けられました。対象となるのは、アスベストを原因とした疾病で亡くなった労働者(特別加入者を含む)のご遺族で、時効により労災保険法に基づく遺族補償給付の支給を受ける権利がなくなった人です。対象者には、特別遺族年金として、原則2,400,000円/年が支給されます。特別遺族給付金について詳しくはこちら

5.まとめ

労災保険で給付が受けられなかった方や、救済制度において請求期限が過ぎてしまった方でも平成23年の法改正により請求期限が延長され、支給対象が拡大されたことで、これまで「特別遺族弔慰金」と「特別葬祭料」、「特別遺族給付金」を受けていない方も、給付を受けられる可能性があります。

社会保険労務士法人きんかではアスベスト給付金以外にも労災保険給付、石綿健康被害救済制度についてご相談を承っております。少しでも心当たりがある方はお気軽にご相談ください。お問い合わせはこちら