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2022.01.24

コラム

アスベストで健康被害にあわれた方への支援

中皮腫、肺がんなどアスベストに関連する疾病を発症し、それがアスベストにさらされていたことが原因である(業務上疾病)と認められた場合には、労災保険給付または石綿健康被害被害救済制度による救済給付と特別遺族給付金が受けられます。今回は労災保険制度についてご説明します。

目次
1.労災保険制度とは
2.加入の義務は会社にある
3.労災保険の種類
4.請求期限について
5.まとめ

1.労災保険制度とは

労災保険とは「労働者災害補償保険法」という法律で定められていて、仕事が原因となって生じた負傷や疾病、障害、死亡した労働者やその遺族に対して必要な保険給付が行われる制度です。

2.加入の義務は会社にある

1人でも労働者を雇っている会社は労災保険に加入する義務があります。労働基準法において労働者の業務上の災害を補償することを使用者の義務として定めていますが、労働基準法で使用者に災害補償責任を負わせていても、使用者に災害補償する能力がないときは、労働者は現実に補償を受けることができなくなるので、そのような事態が生じないように、保険という制度を設けています。このようなことから、労災保険の保険料はほかの保険制度と異なり、労働者の負担はなく全額使用者の負担となっています。

3.労災保険の種類

労災保険で受けられる保険給付は次のものがあります。

①療養(補償)給付
療養の給付(無償で治療を受けられる)または医療機関で負担した医療費の支給が受けられる制度。
②休業(補償)給付
傷病の療養のため、労働することができず賃金を受けられない時の給付。休業4日目から休業1日につき給付基礎日額の60%程度が支給される制度。
③傷病(補償)年金
療養開始後1年6か月経っても傷病が治らず、障害の程度が障害等級1級から3級に該当する場合に支給される制度。
④障害(補償)給付
傷病は治ったが身体に障害が残ったときに障害の程度に応じて年金または一時金が支給される制度。
⑤介護(補償)給付
傷病年金または障害年金の対象となる障害により、介護を受けている場合に支給される制度。
⑥遺族(補償)給付及び葬祭料(葬祭給付)
労働者が死亡したときに遺族に年金または一時金及び葬祭料が支給される制度。
それぞれの制度の詳細や申請方法についてはこちら

4.請求期限について

労災保険の給付を受ける権利は一定の期間を過ぎると時効によって消滅し、労災保険の給付を受けられなくなります。
①療養補償給付
療養の費用を支出した日ごとに請求権が発生しその翌日から2年
②休業補償給付
賃金を受けない日ごとに請求権が発生し、その翌日から2年
③障害補償給付
傷病が治癒した日の翌日から5年
④介護補償給付
介護を受けた月の翌月の1日から2年
⑤遺族補償年金・一時金
被災労働者がなくなった日の翌日から5年
⑥葬祭給付
被災労働者がなくなった日の翌日から2年
★傷病補償給付は労働基準監督署長の権限によるため時効はありません。
このように制度によって時効期間や起算日が異なります。
また、労災補償制度を受けられない方は石綿健康被害救済制度による給付が受けられる場合もあります。石綿健康被害救済制度についてはこちら

5.まとめ

今回は労災保険について基本的なご説明をしました。労災保険制度には時効があります。心当たりのある方は早急にご相談下さい。労災保険制度それぞれの詳細や申請手続き、石綿健康被害救済制度に関しては今後のコラムでご説明していきたいと思います。

アスベストにさらされる建設業務に従事し、健康被害にあわれた労働者の方やそのご遺族の救済のため、社会保険労務士法人きんかでは積極的に相談に応じておりますので、お気軽にご連絡ください。お問い合わせはこちら