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胸膜プラークとは?
アスベストを吸入することによって生じる疾患にはアスベスト肺、肺がん、中皮腫などがあります。過去にアスベストばく露していたことが分かる判断基準として胸膜プラークというものがあります。胸膜プラークとは疾患なのでしょうか?また、発症しているとどのような症状が出るのでしょうか。
1.胸膜プラークとは?
2.どのような症状が出るのか?
3.まとめ
1.胸膜プラークとは?
胸膜プラーク(胸膜肥厚斑)は、壁側胸膜の外側に生じた膠原繊維(コラーゲン)が造成した良性疾患です。アスベストばく露によってのみ発生すると考えていい症状です。形状はまだらに膠原繊維が増生して盛り上がる異常な部位と正常な部位が混在することが特徴で、表面に光沢のある白色から薄いクリーム色をしています。クッション状に見え刷毛で掃いたような薄いものから10mmほどの厚さの物まであります。10年単位で徐々に肥厚する変化で、細胞成分をほとんど含んでおらず壁側胸膜下、胸壁部位に発生するので肺機能障害を伴いません。つまり、胸膜プラークのみの状態は肺疾患ではないということです。
2.どのような症状が出るのか?
胸膜プラークは胸痛と相関するという報告が近年あるものの、一般的に自覚症状はありません。経過と共に徐々に石灰化し、その濃度を増すとともに広がってきますが肺機能に及ぼす影響はほとんどないか、あっても著しい肺機能障害をもたらすことはありません。治療も特に不要で、造船や建設業で30年以上勤務した60代以上の方に数十パーセントは見られる良性な変化です。一生何も起きない方が8割以上ですが、肺がんや中皮腫、石綿肺になる方もいらっしゃいます。胸膜プラーク自体が体に悪さをするわけではありませんが、この状態が確認される方は胸膜プラークのない方に比べて中皮腫のリスクが11倍にもなるとされていますが、それは、胸膜プラークが認められる時点で石綿の累積被ばく量が多いからだと考えられてます。
3.まとめ
アスベストばく露の判断基準となる胸膜プラーク。この状態自体は悪いことではないのは確かですが、一方でアスベスト関連疾患との関係性があります。脊椎・心臓・横隔膜下・肋骨等の立体的構造部があり胸部エックス線写真だけでは確認しにくいことも特徴です。あわせて胸部CTを撮ることで初めて胸膜プラークだと診断できる場合も少なくありません。アスベストにばく露した可能性のある方は体調に不安を感じられたら、まず病院へご相談されることをお勧めします。
また、アスベストにさらされる業務に従事し、健康被害に遭われた労働者の方やそのご遺族の救済のため、社会保険労務士法人きんかでは積極的に相談に応じておりますので、お気軽にご連絡ください。お問い合わせはこちら