愛知・岐阜の建設アスベスト給付金制度の請求手続きなら社会保険労務士法人きんか「お知らせ」ページ

お知らせ・コラム

2022.01.25

コラム

アスベストで健康被害にあわれた方への支援 療養(補償)給付

労働者が業務災害や通勤災害によってけがをしたり、病気にかかり療養を必要とするとき療養(補償)給付を受けることができます。今回は療養(補償)給付についてご説明します。

目次
1.療養(補償)等給付とは
2.給付の対象となる療養の範囲
3.支給期間
4.支給額
5.時効について
6.病院にかかる際の注意点
7.まとめ

1.療養補償給付とは

療養の給付(現物給付)と治療の費用の支給(現金支給)の2種類があります。労災病院や労働局長が指定した病院・診療所・薬局(労災指定病院といいます)に療養の給付請求書を提出すると自己負担なしで治療やお薬が受けられます。治療の費用の支給(現金支給)は近くに労災指定病院等がなかった場合など、療養の給付を受けることができなかった場合に、支払った金額と同額の現金が支給されます。療養の給付が原則なので、労働者がどちらかを選択することはできません。

2.給付の対象となる療養の範囲

治療の費用、お薬代、入院の費用、看護料、移送費用など通常療養のために必要なものはすべて含まれます。ただし一般に治療効果の認められていない特殊な治療や傷病の程度から必要がないと認められる付添看護を雇った場合、入院で一人部屋を希望した場合などの個室代は支給されません。

3.支給期間

病気や怪我が治癒するか、死亡するまで支給されます。また、治癒とは怪我や病気にかかる以前の状態に回復しなくても、これ以上治療の効果が期待できず、症状が固定し、療養の余地がなくなった状態をいいます。

4.請求方法

【労災指定病院の場合】
業務災害の場合:療養補償給付たる療養の給付請求書
通勤災害の場合:療養給付たる療養の給付請求書
該当する請求書を労災病院に直接提出します。また、病院外の薬局で薬を受け取る場合は薬局にも請求書の提出が必要となります。

【労災指定病院以外の場合】
業務災害の場合:療養補償給付たる療養の費用請求書
通勤災害の場合:療養給付たる療養の費用請求書
該当する請求書を労働基準監督署に提出します。

請求書には災害が発生した当時の状況をかなり詳しく書かなければなりません。災害の原因及び発生状況の欄には【いつ、だれが、どこで、何をしているときに、どのような状況で、どこを負傷したのか】【(疾病の場合)どのような業務をしていて、何が原因で、なんの診断を受けたのか等】を明確に記載する必要があります。給付が受けられる労働者であることと業務災害として保険給付の対象となる保険事故であることを請求書の書面で確認できるように記載することが重要です。

5.時効について

療養の費用は、費用を支払った日の翌日から2年を経過すると時効により請求権が消滅してしまい請求できなくなるのでご注意ください。

6.病院にかかる際の注意点

労災指定病院を受診するときに労災の請求書を持参できなかった場合
⇒緊急で病院にかかったときなど労災の請求書を持参できないことはやむを得ません。病院で診察を受ける前に【労災であること、請求書は後日提出すること】を伝えてください。病院によって対応は異なりますが、その後のお手続きがスムーズになります。

7.まとめ

今回は療養(補償)給付についてご説明しました。すでに会社を退職されている場合でも請求期限の2年以内でしたら給付を受けられる可能性がありますので、お早めにご相談ください。それぞれの制度の詳細や申請方法についてはこちら

アスベストにさらされる建設業務に従事し、健康被害にあわれた労働者の方やそのご遺族の救済のため、社会保険労務士法人きんかでは積極的に相談に応じておりますので、お気軽にご連絡ください。お問い合わせはこちら