建設アスベスト給付金制度では
5つの疾病を給付の対象としています
非常に微細な粒子であり、体内に取り込まれやすく体外に排出されづらい特徴を持つアスベスト(石綿)は、吸引後も長期間にわたって肺を刺激し、様々な疾病の要因となります。
建設アスベスト給付金制度は、アスベストにさらされる建設業務に従事し粉塵を吸引し続けたことが原因で対象疾病のいずれかを発症した方またはそのご遺族を対象としています。対象疾病は、石綿肺・中皮腫・肺がん・著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚・良性石綿胸水の5つです。
社会保険労務士法人きんかでは、対象疾病とまだ診断されていない方からのご相談も承っています。
石綿肺
石綿肺は、鉱物性の粉塵を吸引し続けた結果、肺に粉塵が沈着して発症するじん肺という疾病の一つで、アスベストが原因の場合は「石綿肺」と呼びます。初期症状はなく、次第に息切れやせき、痰などの症状が現れ、進行すると粉塵を吸引しなくても回復しないだけでなく更に悪化することもあります。
中皮腫
中皮腫とは、内臓を覆う膜「中皮」の細胞から発生する癌のことで、アスベストの吸引が原因で発症するものを「胸膜中皮腫」と呼びます。胸に水が溜まるため呼吸困難や胸部圧迫感が起こるほか、胸の痛みやせき、発熱などの症状が現れますが、特徴的な症状がないため早期発見が難しいことが特徴です。
肺がん
肺がんとは気管支もしくは肺に発生する癌のことで、喫煙が原因の場合もあるため、給付金の受給にはアスベストが原因であることを証明する必要があります。腫瘍ができた場所によっては症状がほとんど現れないこともあり、転移による症状がきっかけで発見されることも少なくありません。
症状
せき
痰
血痰
動悸・息切れ
びまん性胸膜肥厚
びまん性胸膜肥厚とは、アスベストによって肺を包む胸膜が線維化し、肺の表面が肥厚する疾病で、重症化すると着替えさえも苦しくなるほど呼吸機能が低下します。著しい呼吸機能障害が認められた場合のみ、給付金の受給が可能です。びまん性胸膜肥厚は、発症する前に「良性石綿胸水」を生じることもあります。
良性石綿胸水
良性石綿胸水とは、アスベストによって肺を包む胸膜が炎症を起こし、胸水が溜まる疾病です。胸水は自然に消滅することがほとんどですが、再発を繰り返すこともあります。他の4つの疾病と比べて発症が早く、呼吸困難や胸の痛みなどの症状が現れる場合がありますが、自覚症状がないまま進行してしまうことも少なくありません。