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2022.01.18

コラム

健康管理手帳(石綿健康診断)

健康管理手帳が交付されると年2回(じん肺は年1回)無料で健康診断が受けられます。定期的な健康診断により重篤な病気の早期発見に繋がります。今回は健康管理手帳の交付要件や必要な書類についてご説明します。

目次

1.健康管理手帳とは
2.石綿健康管理手帳交付の要件
3.じん肺の健康管理手帳交付の要件
4.健康管理手帳の申請方法
5.まとめ

1.健康管理手帳とは

対象となる業務に従事していたなどの一定要件に該当する労働者が、離職の際または離職後に申請することで交付され、交付されると都道府県労働局が指定する医療機関において健康診断を無料で受けることができます。また、健康管理手帳においてアスベストに関連するものは石綿の健康管理手帳(年2回の健康診断)とじん肺の健康管理手帳(年1回の健康診断)の2種類があります。
◎対象となる業務は石綿の重量が0.1%を超えて含有する製材等を製造または取り扱う業務のことです。

2.石綿健康管理手帳交付の要件

石綿の製造、または取り扱う業務に従事する労働者のうち以下の要件のいずれかに当てはまる方が対象となります。
・両肺野に石綿による不整形陰影、または胸膜肥厚がある者
・石綿等を取り扱う作業に10年以上従事していた者
・下記の作業に一年以上従事し、初めて石綿粉じんにさらされた日から10年以上経過していること
〇石綿の製造作業
〇石綿が使用されている保温材、耐火被覆材等の貼り付け、補修もしくは除去の作業
〇石綿の吹付けの作業又は石綿が吹き付けられた建築物、工作物等の解体、破砕等の作業

★平成21年4月1日より従来の直接石綿を取り扱う業務に加え、新たに石綿の粉じんを発散する作業場(事業者が関係者以外の立入禁止措置を講じた区域が目安)において直接業務以外に従事していた労働者(周辺業務)も対象となりました。周辺業務従事者は両肺野石綿による不整形陰影、または胸膜肥厚がある方が対象です。

3.じん肺健康管理手帳交付の要件

粉じん作業に係る業務に従事する労働者のうち、じん肺法の規定により決定されたじん肺管理区分が管理2又は管理3であること。じん肺管理区分についてはこちら

4.健康管理手帳の申請方法

以下の書類をご準備いただき下記該当箇所に提出後、審査、交付の流れとなります。

◎離職の際は事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長へ申請
◎離職してから時間が経っている場合はご自身の住所地の都道府県労働局長へ申請

必要な書類

(1)健康管理手帳交付申請書
(2)従事歴申告書
(3)次の①~③のいずれかを満たす書類
①従事歴証明書(事業主が記載したもの)
②従事歴申立書(本人が記載したもの)と従事歴証明書(2名以上の同僚が記載したもの)
③従事歴申立書(本人が記載したもの)
③の場合は、次のアからカの書類の添付が必要です。
ア、石綿健康診断個人票の写し
イ、社会保険の被保険者記録照会回答票
ウ、給与明細の写し
ェ、雇用保険に係る証明書
オ、その他本人申し立てに記載された内容を裏付ける客観的な書類
カ、石綿健康被害診断の本人への結果通知の写し
アスベスト取り扱い作業の従事期間や初めてアスベストにさらされた日からの期間が証明できない場合は追加の書類(医師の診断書等)が必要となります。

審査により条件を満たしている場合、健康管理手帳が交付され指定の病院が決定・通知されます。

5.まとめ

今回は健康管理手帳についてご説明ました。アスベストにさらされる業務に従事していた労働者の方、直接の業務でなくてもアスベストの粉じんを発散する作業場において従事していた労働者の方も健康管理手帳交付の対象となる可能性があります。また、アスベストの健康管理手帳の交付を受けることができる方でアスベストに関連する病気を発症された方は、労災や給付金が受けられる可能性があります。健康管理手帳はこれらの申請をするうえで重要な証拠にもなるため、対象の方は申請をおすすめします。

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アスベストにさらされる建設業務に従事し、健康被害に遭われた労働者の方やそのご遺族の救済のため、社会保険労務士法人きんかでは積極的に相談に応じておりますので、お気軽にご連絡ください。お問い合わせはこちら